脊髄損傷
脊髄損傷とは
手足の脱力・麻痺や筋肉の痙攣、慢性的 な痛み、筋肉の制御不能など、脊髄損傷は人生を変える制限を課す出来事になります。脊髄損傷からの回復は、特に動きの自由に関して言えば、長く困難なプロセスになりえます。しかし、適切なケア、サポート、包括的なアプローチがあれば、日常生活に必要な可動性を取り戻しやすくなります。
シーナのストーリー
数学と体育の教師であるシーナは脊髄損傷になりましたが、生徒や仕事、生きたい人生から遠ざかることはありませんでした。直面した困難に対し向き合い、自信を取り戻したそのストーリーを語ってくれています。
脊髄損傷の種類
脊髄損傷の原因となるのは、交通事故、転倒、 スポーツ障害、暴力的な出来事など、何らかの外傷に よって生じます。損傷の程度は個人それぞれ異なりますが、特に手足と胴体の神経信号と筋肉制御に深刻な障害を与えると言えます。
・「完全損傷」と「不完全損傷」のどちらであるか
・脊髄のどこで損傷が起きているか。
ということによって運動能力への影響に変化がでます。
完全損傷と不完全損傷
脊髄損傷は、損傷部位より下の神経伝導路と筋制御に大きな影響を与えます。その影響は、脊髄の損傷の程度によっ て異なります。
運動に関する症状は、脊髄損傷の2つの主なタイプに分類されます。
完全損傷
脊髄が横断的に切断された状態のことを言います。神経伝導路が完全に絶たれたるので、損傷部位以下の機能が完全に麻痺し、運動機能と感覚機能が失われます。
脊髄が横断的に切断された状態のことを言います。神経伝導路が完全に絶たれたるので、損傷部位以下の機能が完全に麻痺し、運動機能と感覚機能が失われます。
不完全損傷
脊髄が部分的に損傷を受けた状態で、損傷部位以下に機能障害が出ます。麻痺の程度は損傷の程度によるところで、四肢や体幹の機能が残っている場合があります。
脊髄が部分的に損傷を受けた状態で、損傷部位以下に機能障害が出ます。麻痺の程度は損傷の程度によるところで、四肢や体幹の機能が残っている場合があります。
モビリティーの改善
いずれかの脊髄損傷を経験した場合、回復や継続的なケアとして、リハビリを始め、装具、車いす、あるいは電気や磁気、薬剤などによって神経を刺激することで神経の働きを調整する治療法であるニューロモジュレーションなどの方法が考えられます。適切な選択は損傷や症状によって異なり、医師や専門家と相談してください。
例えば、胸髄完全損傷の方は、一日の移動に車いすが必要かもしれません。腰髄の不完全損傷の方は、装具歩行を装着し歩行できるかもしれません。どの場合も意思をはじめとする理学療法士や義肢装具士(CPO)などの専門家に相談し、個人に最適な方法を選ぶことが重要です。
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脊髄損傷で現れる運動機能に影響する症状
脊髄の神経は、全身に及ぶ内蔵や筋、知覚を支配していて、身体機能においても重要な役割を担っています。神経が損傷すると、呼吸器や循環器の問題から腸や膀胱の機能障害に至るまで、さまざまな神経学的問題を引き起こす可能性があります。このような問題は、当事者の精神的健康にも大きな影響を与えることがあるので注意が必要です。
歩行や移動手段における問題は、生活に大きく関わり、脊髄損傷の 中でも悩ましい課題の一つです。脊髄損傷は、損傷の程度と損傷部位によっ て、麻痺(対麻痺または四肢麻痺)や痙縮、疼痛など の症状を引き起こす可能性があります。
四肢麻痺・対麻痺
四肢に麻痺があらわれ、体幹のコントロールも難しい状態を四肢麻痺と言います。頚髄損傷などの高位完全損傷においてあらわれる可能性があります。対麻痺は両下肢に麻痺があらわれることを言います。下位完全損傷の際は対麻痺になる可能性があります。
四肢に麻痺があらわれ、体幹のコントロールも難しい状態を四肢麻痺と言います。頚髄損傷などの高位完全損傷においてあらわれる可能性があります。対麻痺は両下肢に麻痺があらわれることを言います。下位完全損傷の際は対麻痺になる可能性があります。
単麻痺・片麻痺
単麻痺とは四肢のどれかに麻痺が表れている状態で、片麻痺は左右どちらかの半身に麻痺があらわれている状態です。不完全損傷において、その損傷の程度によって麻痺や筋の衰弱などが部分的にあらわれます。
単麻痺とは四肢のどれかに麻痺が表れている状態で、片麻痺は左右どちらかの半身に麻痺があらわれている状態です。不完全損傷において、その損傷の程度によって麻痺や筋の衰弱などが部分的にあらわれます。
痙攣(けいれん)、痙性(けいせい)
受傷後の慢性期では、動かせないはずの筋肉が本人の意思とは関係なく突然こわばったり、けいれん(痙攣)を起こしたりすることがあります。また筋肉のこわばりが続き日常生活で新しい対応を求められることもあります。
受傷後の慢性期では、動かせないはずの筋肉が本人の意思とは関係なく突然こわばったり、けいれん(痙攣)を起こしたりすることがあります。また筋肉のこわばりが続き日常生活で新しい対応を求められることもあります。
慢性疼痛
脊髄損傷の多くは 何らかのa形で 持続する激しい痛みを経験することがあります。 時にはその痛みは 痙攣に関連していますが、緊張や損傷によって 弱くなった筋肉の過度の緊張から 来ることもあります。
脊髄損傷の多くは 何らかのa形で 持続する激しい痛みを経験することがあります。 時にはその痛みは 痙攣に関連していますが、緊張や損傷によって 弱くなった筋肉の過度の緊張から 来ることもあります。
モビリティーの改善を図る
完全損傷か不完全損傷に関わらず、多くの場合、移動方法の問題は複雑で生涯にわたり都度検討すべきことです。
回復具合とリハビリは、損傷状態やその程度によって異なりますが、医師や理学療法士、作業療法士、義肢装具士ありはケアワーカーなどを含む、包括的にケアできるチームが常に関与する必要があります。サポートチームは、損傷部位、正確な麻痺症状、残存筋力に応じて、様々な方法の中から検討します。
3段階にわけると
急性期治療: 脊髄損傷直後は、生命維持に必要な機能を最優先し、脊椎を安定させ、より重篤な合併症を防 ぐことが求められます。
リハビリテーション: 背骨が安定したら、身体的、心理的、社会的、仕事に関連する包括的な治療に重点を移します。この段階では、移動能力を回復させるために、さまざまなデバイスを組み合わせることもあります。
長期的なケア: 脊髄損傷者は、移動方法や、自立性、生活の質を維持するための、継続的な支援を必要とします。長期にわたっ て、装具や車いす、ニューロモジュレーションまで、様々な方法を検討し、最適な方法を選択できるようなサポートが重要になります。